栗山圭介の著書 1983年、目黒区蛇崩に一軒の店ができた。店名『居酒屋ふじ』。強烈なキャラクターの「おやじ」高橋俊男と小気味よい包丁の音で彼を支える料理担当の「お母さん」が二人で深夜まで営む。そこに中日ドラゴンズの立浪和義が2000本安打を達成したバットが飾られている。なぜ、ここに。アルバイト帰りにふと訪れた「僕」はその謎を探ろうと、おやじの話に耳を傾けるのが……。なさそうで、ありそうな、路傍のおやじの物語。 1981年。シティボーイになるために上京した僕が入学したのは、国士舘大学体育学部体育学科。僕の、特別すぎる四年間が幕をあけた。体罰、しごき、上下関係……あの頃の教育現場には、たしかに「暴力」が存在した。“暑苦し切ない”、体育会系青春小説! 1990年。前年秋にベルリンの壁が崩壊し、愛犬のジョンが死んだ。平林健太、フリーター、30歳。逃げとごまかしが連続の人生だった。このままでいいのか? 健太は一念発起し、小さな編集プロダクションを皮切りに、憧れ続けた「ギョーカイ」の門を叩く。デビュー作『居酒屋ふじ』がテレビドラマ化、『国士舘物語』で話題。“熱くて、おもしろくて、ちょっと切ない”90年代の広告・雑誌業界を舞台にした半自伝的小説。 門阪有希(かどさか・ゆうき)は大手IT企業『COMnel』に勤務する三十四歳のOL。社長の萩原が会社を創業した初期から、公私ともに支えてきた自負もあり、また有希は萩原とは恋人同士だったのだ。しかし合併と上場を目前にして、萩原は有希を会社から追い出した上に、アイドルから転身した女優と結婚する。突然の不幸に茫然自失した有希だったが、『COMnel』がラーメン業界に進出すると知ってから、自分の優れた味覚を活かしてラーメン店開業を目指して修行を始める。そこには女の意地があった。調理や経営を学ぶ〈ラーメン大学〉で出会った友人や、元同僚で親友の在日韓国人プログラマーのヨナたちに支えられ、一心不乱にラーメン道を進む有希。先輩店員からの辛い仕打ちを乗り越えた有希が、手に入れた希望とは 80年代、甲子園で怪物と呼ばれた投手・野中徹博と応援団長の友情を描くドキュメンタリーを超える青春小説 戦後の高度成長期からバブル経済へ──大阪万博があった昭和45年から昭和64年の昭和天皇崩御まで、当時の若い世代を中心に誰もが使っていた「流行語」。ラジオやテレビから流れ、あるいは漫画雑誌が生んだ言葉たちは、「死語」の名のもとに忘れ去られたかに思われた。「ドロンする」「チョメチョメ」「グロッキー」「死刑!」「パンタロン」……。ところがなぜか惹かれるその語感は、あたかも昭和の楽曲が繰り返しリバイバルするように、現代の若い世代にもウケ始めている。本書は、1990年代にマガジンハウスの雑誌編集者だった作家が、「令和に伝えたい100の言葉」を厳選して紹介。各語ごとに「解説」「用法例」「今の言い換え」などに分け、まったく知らない世代にも伝わりやすいよう、また使い込んできたオールド層にはノスタルジー満点に説き明かしていく。「昭和100年」を機に、人間関係も言葉遊びも豊かで深かったあの時代を「愛とユーモア」たっぷりフィーチャーする新コミュニケーションブック。